連載第五十回目

★脱サラ2年で約1300万円を返済
こうしてクライアントとのケンカで売上が1/10になり、しかし、新規開拓もままならず、借金返済にも追い込まれてウツに。結局’98年春に先祖の虎の子の土地を投げ売りし、連帯保証で被った1億の借金自体はゼロになりました。失ったものは、親が所有していた一戸建てにマンションや、亡父が勤務していた福岡シティ銀行の株券等、先祖代々の全財産。バブル期は資産価値は5億ありました。しかし、それが売却した時には、土地なんか坪2500万円が300万と約1/10。本当は爺さんからの土地は残したかったんですが、それもできず、自力では脱サラ2年で約1300万円を返済。小さな個人事業では少しは頑張ったかも知れませんが、逆に背負ったものがゼロになり、脱力感でウツに弾みがつきましたね。金はないのにヤル気が出ず、図書館や公園で「俺は今後、何をしたらいいんだ?」と自問自答する毎日。様々な人生本を読んだり、怪しいセミナーやマルチ商法の会合にも誘われ、何か奇跡が起きて救われるんではないかと、阿含宗、幸福の科学、生長の家、善隣教などの新興宗教の集まりにも出てみました。しかし、頭に手かざしパワー?を受けても効果もあるはずなく、「あの人が仏陀の生まれ変わりだ」と言われても、「じゃあ、証拠を見せろ!」とケンカし、素直でない私には洗脳パワーも効かない。29歳の時以来、久しぶりに心療内科にも行きましたが、すでにその頃はウツが流行・繁盛していたようで、先生も「ハイハイ」と数分話を聞いただけで「うん、軽いウツですね。これ薬」で飲んだが効果ナシ。まあ、私の場合はウツの原因は、仕事がない、金がないでハッキリしてましたので、「もう、悩んでいても仕方ない。行動せねば」と経営の勉強のため、福岡県中小企業家同友会の会合にも参加。そこで、誰かが壇上に上がって現状を話し、それに対して皆が好き勝手な意見を述べる「まな板の会」があり、ヤケクソになって壇上へ。
★裸になれ!!
「俺はヤル気がない」「サイテーの人間だ」「家も親も全部失い、もうダメだ」なんてホザいたんです。すると「あなたは心身共に健全じゃないか。世の中には体も動かず、それでも必死で生きている人が山ほどいる」「まだ生きている」「何を甘えている」「できることからやったらどうか」「人助けを考えろ」「初心に返れ」・・と、もっともな率直な意見をいただき、経営コンサル「かたつむり」の石川さんから教えて貰った、病で手足を壊死で失い、見せ物小屋の芸人で生計を立て、最後は講演家・詩人となった「中村久子の生涯」などを読み、ああ、なんと俺は甘い人間なんだ、見栄やプライドにこだわり、裸になっていない。何も努力をしてない、行動してないから、仕事もないのは当たり前だと、新入社員の頃にやった職安や新聞で求人情報をリストアップ→電話や飛び込みで求人広告の営業を復活し、博多に返ってきて知り合った社長や、顧客候補になりそうな会社に、「すいません。仕事を下さい。何でもします。ヨロシクお願いします!」と、年下の人にも頭を下げて廻りました。すると、信じられないことが連続したのです