読者寄稿


★私は大家さんになった
「じんわりさん、やりましたよっ!」
うっしーの声が興奮でうわずっている。
「なんと57人抜きで落札ですよ!!」
「え?え?ほんと?ホントに落札したの?・・・57人?!」
「しかも2位とは1万円差。入札数58件なんて僕は初めての経験ですよ。いやぁ~すごい。ほんとにすごい。やりましたね~!」
こうして私は大家さんになった。現在(平成16年6月現在)私は福岡市内のワンルームマンション2軒のオーナーである。そして、この体験から得たものを元に会社を作った。人生とは何がきっかけで大きく変わるものかわからない。ただの主婦だった私が株式投資を始め、離婚を経験し、不動産を手に入れ、今回会社まで興すことにしたのだから。
そもそもなぜ私が不動産に興味を持ったのか?それは娘がまだ小学3年生で、娘が独立するまで元気に働き続ける自信がないというのが最大の理由である。年金もアテにできない以上、給与所得以外の収入を確保しなければ、と考えたのだ。そしてもうひとつは、自分の好きな事をするためにも、子どもの養育費程度の固定収入が入るしくみを作っておきたかったからである。
裁判所の競売では抵当流れになった不動産を競売にかける。落札者がその不動産を買い取ることによって、前の所有者の債務が減り、同時に金融機関の不良債権が処理されていく。
大切な不動産を手放すことになった前の所有者には申し訳ないが、私は初めての競売参加で好立地のワンルームマンションを落札し、年明け2月には任意売却という形で2軒目の不動産を取得した。
実際に賃貸マンションを2軒持ってみてつくづく思うのだが、毎月決まった日に一定収入があるというのは本当に心強いものだ。この安心感を誰かに伝えたいと思って、何人かの人に話してみた。お金や投資の話をするのはちょっと気が引けたが、いざ話してみると、多くの人は私と同じように“経済的に自立したい”“複数の収入源を持ちたい”と考えていることがわかった。
★AVプロジェクト始動
だからといって、わけもわからずいきなり競売に参加するのは無謀だし、ダメ元で挑戦するには金額が大きすぎる。しかも、競売に関する詳しいノウハウはほとんど出回っていない。関連書籍はあるにはあるが、物件の見極め方やリスク回避の方法についてはほとんど触れられていない。座学ではなく、実地経験で体得するしかないということか。しかし会社勤めをしている人にはそんな機会はない。
時間的にも困難でハードルが高すぎる・・・。
いや、待てよ、その高いハードルを下げる手伝いをすれば、ズブの素人で体験者の私だからこそできるサービスになるのではないか?それまでも食品の販売や、車種を特化した中古車販売など、自分なりに模索していたのだが、なかなか「これ」というものにたどり着けなかった。しかしようやくしっくりくる仕事に出会えたような気がした。これなら自分のノウハウを自分の言葉で語れそうだ。
やることが決まれば次はメンバーだ。私は、金融・不動産・保険のプロフェッショナルで、入札や任意売却で力を貸してくれたうっしーと、新規事業の立ち上げやシステム構築で実績のあるパナセに声をかけた。
ビジネスのイメージを伝えると、2日後にパナセから電話があり、「女性のための『マンションオーナー養成塾』にしようよ。んで、プロジェクト名はAVプロジェクトねっ!」と言う。
「えーっ?!AVぃ?一体そのネーミングは何~?」と叫んだが、AVプロジェクトは本当に立ち上がってしまったのである・・・。