第一回 公開SOHO談義

第一回 これからのSOHOについて

中村 こんばんわ。SOHO’s Club の中村です。
尾形 こんばんは。SOHO’S WORLD の尾形です。
中村 今日は、公開SOHO談義、SOHO’S WORLD 尾形 And SOHO’s Club 中村の第一回目です。
尾形 テ-マはこれからのSOHOについて。
中村 これからSOHOを発展させるのに、何が必要かを考えていかないとだめなわけですが、実際にSOHOとして働いている尾形さん自身は、どのようにお考えですか?
尾形 いろいろありますが、
尾形 1.本人の環境、姿勢
(誰か仕事くれ!的な人は無理かも知れませんね、自分で仕事を取って自分でこなせるぐらいじゃないと。そういう積極的かつプロ意識を持ったSOHOが集まってはじめてすごい集団になるんだと思います。)
尾形 2.周囲の環境
(SOHOに対する認知)
尾形 3.インタ-ネットの普及事情
(通信回線の整備)
尾形 さらに、通信回線の格安提供。
中村 私は、やはり一般に公開できる事務所の住所と連絡先(電話番号)がほしいです。
これは尾形さんのいう 1.本人の環境 となると思いますが・・・。
尾形 たしかに、自宅をオフィスにしている場合は重要な問題ですね。
中村 そうですね。SOHOでもHOだと、問題はかなり深刻だと思います。仕事をする分には問題なくても、打合せとなると難しいですもんね。
尾形 例えば、支援センタ-があって電話秘書やSOHOの人材デ-タベ-ス、経理、法務や税務相談所、会議室、打ち合わせ用のサロンを自由に使う事ができたらいいとおもいます。
中村 そうですね。そういう意味でレンタルオフィスやシェアオフィスのこれからの活躍が期待されるのです。そこで、私は全国のSOHO者が集まってプロジェクトが組める場所があればいいなと思ったのですが。
尾形 アメリカ、デンバ-のデンバ-エンタ-プライズセンタ-の例を知ってますか?
中村 残念ながら知りません。
尾形 ベンチャ-村的な支援センタ-で今挙げたような設備がすべてそろっていて、起業家育成というより企業そのものを育成しているのです。
かなり成果が上がっているらしく、成長した企業になってセンタ-からでていって活躍している企業家達がおおいのね。だからアメリカ全土から企業かが集まってきてデンバ-自体がすごく活性化されてる。
中村 それは、すごいですね。私たちもデンバーにいきましょうか?(笑)
尾形 いきたい(笑)
中村 それは、民営が行っているのですか?
尾形 自治体らしいです。
だから、例えば、土地が安くて自治体の協力的な地域に一つセンタ-を作る事ができたらいいと思んです。普段は自分のオフィスで仕事してるわけだから場所はどこでもかまわないですしね。
中村 そうですね。私たちが望んでいる又求めているような施設ですよね。実際このような施設を民営で起こすとすれば、よほどの資金力がないと無理ですね。本当は、このようなサービスを提供できるSOHO支援事業を私は起こしたいと思っているのですが。こういうことに国や自治体が支援の手を差しのべてくれればと思います。
尾形 私も同じ考えです。
中村 そこで公的機関からの、SOHO支援への出資姿勢を調べないとだめなわけですが、多忙という事実に逃げて調べられていない状況です。(^^;
尾形 先週この企画をプレゼン用に作って地元の自治体に見せてきました。講演の機会を設けてくれるような話になるかもしれませんし、来週あらためて行ってくる予定です。
中村 さすが、尾形さん。行動がすばやいですね。
尾形 いえいえ(^^;すきあらば・・・ってとこですか。
日々の自分の仕事がある中で、私たちのようにボランティア的に活動するのは大変な事ですね。
中村 そうですね。事実ホームページもボランティア活動ですから、なかなか大変ですよね。ただ、この私たちのボランティアの姿勢を国や自治体なんかがくみとってくれて、支援してくれればうれしいのですが。そのためには、「活動や意志」をプレゼンや企画書等の何らかの形で示さないとだめですね。
尾形 SOHOの問題点はたくさんあって愚痴を言ったらきりがない。でもだれかがアクションをおこさないとはじまらないと思います。
まさに人柱状態。
中村 そういう意味でも、ギルドジャパンの河西さんたちが SOHOACTIONといって電子署名をはじめたわけですが、電子署名の効果はどのように現れるか楽しみですね。(ちなみに私は呼びかけ人で協力しています)
尾形 楽しみですね。わたしもさっそく署名しておきました。(私も呼びかけ人だったりします。)利点はいろいろありますよね。SOHO自身、企業側、そして受け入れる社会全体。
中村 そうですよね。結局SOHO運動ってSOHO者が行うわけですから、仕事の合間だとか片手間でっていう要素が大きいので、進行が遅くなりがちでとっても残念ですよね。どうにかならないかしら(^^;
尾形 それがすごく残念だとおもいますね。
中村 やっぱり、壁は資金だと思いますか?
尾形 資金的なものだけが壁とは思いませんが、大きな要因である事は間違いないですね。とかくこの関係の仕事はソフトやハ-ドにお金がかかりますし、何といっても通信費に苦しんでいるSOHOは多いと思いますね。この企画は早くはじめない事にはSOHOの地位は確立されないと思います。資金面から言えば、SOHOが個人で多額の資金を集めるのはむずかしいし本当の意味でのエンジェルは日本にはまだほとんどいませんから事業を拡大することがむずかしいですよね。
中村 やっぱり、国からの援助ですよね。
尾形 それが一番いいと思います。新しいインフラの整備という事で。
中村 この、国からの援助をどうにかしてうけようと尾形さんと私はこれからがんばって動こうと思っているのですが、こういう情報を握っている人って、どこかにいるのかな?いるのなら是非協力してもらいたい(^^;
■ SOHOの需要について
中村 次に、SOHOの需要についてお話したいのですが。
尾形 個性的なデザイナ-や特殊技術をもった人材はすごく不足している状況があるし、もうこれからの時代は企業がすべての人材を確保しないように流れてるとおもうの。人材派遣会社が定着したのもそんな時代の流れの中でごく自然にできあがったものだしね。
中村 現在の私の仕事は人手不足で、仕事が山のようにきて困っています。
尾形 私も同じです。今年に入って急に忙しくなりました。先日、朝日新聞に掲載されていたデ-タ-をみたら市場が一年で何十倍にもなってる。
中村 人手が足りないわけです(^^;
尾形 それから問題がここにも一つ。おなじSOHOでもどこまで信頼して仕事を頼めるカって言う判断が難しいよね。
中村 それは本当に言えますよね。尾形さんと私は、いつのまにか一緒に仕事ができるような関係が築けてしまっているような気がするのですが、こんなのは本当にまれですよね。
尾形 まれですね。ネットワ-クを活用して仕事をするにしてもやはりどこかにFACE TO FACE的なアナログの部分がないと難しいと思います。わたしは他にも数人いますよ。前に中村さんに協力してもらった研究会でのソフトの展示なのですが、あのとき協力を呼びかけたのが開催日の直前だったにもかかわらず、すばらしい作品を送ってくださった方が数人いました。そういう方達には優先的にいろいろお仕事を回していきたいと思っています。
中村 そのようにトライアル的なものをしてよい結果がでると、これからの仕事の動きが飛躍できそうですばらしいですね。
尾形 本当に皆さんには感謝しています。
SOHOのメリットは仕事が速い事、オリジナリティ-が高い事、固定費が縮小されている分サ-ビスを安く提供できる事などメリットはたくさんあります。企業もこういったメリットにもうきずきはじめていますよね。
中村 でも、企業はどうしても有能な人材を抱え込みたがる傾向がありますね。
尾形 管理したいというのがいちばんでしょう。信頼できないのかもしれませんね。
中村 でも、信頼面でいうとSOHOはまだまだですね。責任能力が問われると弱いですから
尾形 結局企業に所属する事で自由な発想がしずらくなったり、一つの事に集中できないからね。
中村 最近では、フレックスを導入する会社がふえてきましたが、私が知る限りソフト開発者等は夜型が圧倒的に多くて、朝出勤に弱いです。私もそうですが(^^;
尾形 SOHOってやろうと思えばあすからでもできる、でも続けていくのはなみたいていじゃないですね。
中村 自己管理能力とある意味での精神的図太さがないと難しいですからね。
尾形 わたしが今構想しているものは企業にも対抗できるようなプロのクリエイタ-&技術者集団のネットワ-クをつくり、新しいインフラとして社会に認知させる事です。
中村 じゃあ、実際自分がもっているネットワークで信頼できて、スキルのあるメンバーって何名くらいいますか?(また、その人のスキルの内容は?)
尾形 4人ですね。(すくないな、やっぱり)

中村 私も5人くらいです。だいたいが、ソフト開発者になります。本当は異業種ネットワークが組めれば理想なんですが。法律・経理方面なんてぜんぜんだめですから。
尾形 私のほうは映像関係のプロデュ-サ-、デザイナ-、プロバイダ-の方達ですでに仕事し始めてます。
中村 私自身、自分の世界(コンピュータ・ソフト開発業界)から一歩外にでてみないとこのままじゃだめだと思います。
尾形 私たちのネットワ-クに賛同してくれて登録されて人数はざっとみて500人以上いますよね。本格的に動き出せば信頼できる人数もかなりのものになるとおもいますよ。
中村 その本格的始動ですが、どのようなことをどのような角度からどのように動き出せばいいのかが、まだまだ不透明だと思います。
尾形 しばらくは無理がない程度にしていきたいので、SOHOのネットワ-クで仕事をしたという実績や評価を蓄積して公表していく事かなと思っています。講演会もその中での問題提起や今後動いていく中で中心になる人材を絞り込むのが目的です。早く開催したいですね。
中村 そうですね。私もがんばって働きかけなくては・・・。
尾形 TVなんかのメディアで取り上げてくれるといいと思います。TV局の方みてたらよろしくってとこですかね。
中村 そうですね。TVに出るのはちょっと照れますが、確実に知名度はあがりますね。
■ SOHO講演会について
中村 内容は、現在のSOHO事情ってとこでしょうか?ただ、SOHOっていうのを感覚的にわかってもらうのが難しいという問題もでてくるような気がします。私たちは多分意識してSOHOになったわけではなく、気がついたらSOHOだったと思いますので。何がSOHOって聞かれても、実際的な意味を言葉にするのは難しいと思います。それに、SmallOfficeとHomeOfficeをならべるのも問題があると・・・私は思います。
尾形 それもあるね。
ベンチャ-という単語でくくる事はできるけど微妙に違いますからね。
中村 ベンチャーというイメージはアメリカンドリームって言葉に向かっているような気が個人的にします。
でも、私はSOHOっていうのは、在宅勤務者ともちょっと違う気がします。イメージ的にはフリー(フリーターではない)が近いかな?
尾形 そうだね。
中村 でも、SOはフリーではないですからね(^^;結局自分がHOだから、SOHOのイメージが自分の体制になってしまいがちです。
尾形 私の場合はたまたま自宅をオフィスにしてるって考えですよ。
だからSOもHOもおんなじ。
中村 SOHOとは営業して仕事をとってこれて、その仕事をこなせる人、またはその体制っていうのはどうでしょう?あくまで企業単位ではなく、個人単位です。
尾形 そう思う。マルチじゃないとやっていけない。
中村 SOを零細企業と定義している本などもあるから、ややこしいです。
尾形 零細企業とはぜんぜん違うと思うけどね。
中村 企業と名がつく事態、SOHOじゃないと思ってしまいます。CompanyとOfficeは違うわけですから。でも、最近では有限会社でも一人で運営しているところがありますから、そういういみではSO=HOでもいいわけですね。
尾形 一人でもやっていける、つまりあくまでもプロであることがSOHOの条件。これで終わってしまえば零細企業とか個人事業とみられるかもしれないけど、SOHOの違う所はその個人単位がまとまって一つのワ-キンググル-プ(企業体)になっていける所だと思います。
中村 SOHOを個別に考えて、結合することはあっても、交じり合うことはない。って感じでしょうか?
尾形 だからどんな内容でもどんな大きなプロジェクトでもこなせていけるし、しかもクオリティ-が高くてコストが安い。それが理想の形かなって思います。相手依存型の人にはやっていけないでしょう。実力ややる気が伴わなければプロジェクトには参加できないから当然仕事もないよね。そういう方はアルバイト的な考えですからね。
中村 それこそ内職的感覚といえます。SOHOは内職ではこまりますから。前面にプロ意識がでてこないとだめですよね。「仕事ください」「こういうことならできると思います」と人にいうだけであとは仕事をじっと待ってるようじゃだめってことですね。どんどん自分から営業をしないといけいない。個々の責任力だとかスキルだとか積極的活動とかそういったものが必要です。だから、SOHOが集まると強力なわけです。
尾形 そうですね。
中村 ただ、個性のぶつかりあいが問題として発生するおそれもあるわけです。極端にいうと、ワンマン社長同士があつまってチームを組む様なイメージでもあるわけですから(^^;
尾形 その可能性はありますね、だからプロデュ-スする人間が必要で私はそういった役割を請け負いたいと思っています。
中村 プロデューサーはまとめやくとして活躍してもらえそうですね。プロデューサーは精神的負担が大きい役だと思います。
尾形 かなり・・・。でも必ずそういう役割分担は誰かが請け負わなければならないでしょうね。
中村 でも実際、私たちはHPで会員を募り、SOHOメンバーをまとめようとしていますから、これはすでにプロデューサー的役割ですよね。
尾形 そうですよね。
中村 これからも色々と問題は出てくると思いますが、出来る範囲でがんばっていきましょう。
それでは、第1回目はここらへんで終わりたいと思います。どうも、お疲れさまでした。
尾形 お疲れさまでした。