連載第二十八回目

★課外活動開始
こうして再度のリーマン生活が始まったわけなんですが、課外活動も2つやり始めました。その一つが今月で第125回になるビジネスセミナー交流会「九州ベンチャー大学」です。約20年ぶりの福岡だったので人脈がない、友人もいない、彼女もいないで、最初はアチコチの交流会へ行きました。東京時代にそういう会に出まくって勉強になっていたんでね。ところが適当なオモロイ会がない。商工会議所や同友会、ライオンズクラブなどは社長じゃないと出れないし、どうも既存体質に浸っている。若手の会はJCや何とか青年部なんかはあるが、実態はツマラン飲み会や政治活動バッカ。他はナンパなネルトンクラブみたいな感じ。ならば自分でヤルかと、知り合った帝国データバンク江口記者、雑誌「ふくおか経済」近藤・緒方記者、西洋環境開発の営業マン富崎氏などに声をかけ、たまたま東京時代最後の勤務先:出版者・ビジネス社の花田社長が博多へ帰郷すると聞いたので、コリャちょうどイイと、東京最新事情でも話してと、居酒屋に5人ほど集まりました。で、結果は「異業種で会社が違うと本音が出て面白いね」で、じゃあ来月も集まるかと、私が営業先なんかで知り合った社長なんかを騙して講師にし、5人が7人、10人、15人と毎月開催。気づけば11年目で今では毎回約100人が参加する、バックが何もない在野の会では日本最大級(月刊<ビジネスチャンス>常磐井記者、経営者向けメルマガ日本一<がんばれ社長!>武沢さん他の談)になっていました
★九州ベンチャー大学
このセミナー交流会は毎回参加費が<飲み食い放題パーティ付き>で4000円。入会金も年会費もナシ。いつでも自由参加で、講師の謝礼も当初数年はゼロ(今は1万円)。会則も「マルチ的ネットワークビジネスや強引営業&恋愛禁止」程度であとは自由。会長も何とか委員長も作らない。私も「単なる事務局」でやってきました。
これは全部、東京時代に「自分がイヤだな」と思ったことの反対です。ある意味簡単で、「小さな会社☆儲けのルール」に書いたとおり、主観ではなく顧客観=つまり、主催者側の都合ではなく、参加者側に立った運営方法でした。だから、会自体では何の利益もない。どころか、下手したら赤字。毎回の切手代や案内コピー・封筒代は勿論、作業運営人件費は目に見えない赤字・・・。これを当初はリーマンの身分で会社の封筒を使ったりしてました=会に来た会社から広告の受注ができるかも=が、途中で「コリャダメだ。主催者が営業目的でやったら見抜かれて参加者が来なくなる。俺は営業できない」と気づきました。また、当然、切手代も自前でせねばと少ない予算でやりくりしました。さらに、常に新しい参加者の新陳代謝がないとダメだと、初参加の人にもどんな会かわかるように「会報」というか、ニュースレターを第5回目当たりから発行しました。
そして極力、参加者の自己紹介や取材記事を載せ、ゲストだけでなく、参加者の素顔を皆に知らせようとしました。
さらに、常に「九州ベンチャー大学:昔の名称は<不況撃破懇談会>」の詳細チラシを持ち、これはという人には手渡しか後でFAXをしました。普段の広告営業では飛び込み新規開拓をしましたが、この会の運営ではそんな時間も余裕も金もない。強引な勧誘もしたくない。そこで、口コミ紹介&案内一枚で集客する手法を、常に研究しましたネ。
★運営が修行の場
ホントにもの凄く後でわかったんですが、この会の運営自体が私にとってもの凄い修行の場だったんです。会社でネット通販している「金をかけずに集客が2倍~19倍:成功事例50連発!」というビデオがあるんですが、これは会の運営や次回以降に話す広告業の経験から編み出したものをまとめたものですが、「小さな会社☆・・」でいう「新規の営業戦略」+「顧客戦略=リピート・固定客化ノウハウ」の実践編です。
最近、軽い感じのマーケティングや集客手法が喧伝されてますが、「そんなの、俺は11年前からやってるな」と自信を深めましたが、当時はとにかく必死でしたね。しかし、一番の必死は「親の借金をどうやって返済するか」と「俺自身の天職はなんなんだ?」「俺はこれからどうやって生きていけばいいのか?」・・・。
実は「九州ベンチャー大学」は、自分の天職を探すため。様々なゲストや参加者の生き様に習い、自分の突破口を見つけたい・・・。そういう意味では極めて自己中心的な志だったんです。