連載第六十三回目

★これじゃダメだ!
こうしてなんとか「小さな会社★儲けのルール」の原稿は書き上げたんですが、出来上がってみると、「とても本になるシロモノではない。これは竹田ランチェスター戦略の触り程度だ。こんな内容では、共著で名前があがる竹田先生の名を汚す。成功事例もとりあえずは各社1ページずつ書いたが、本当の成功要因はこんな薄っぺらなものではない。ダメだー」と本当に思い、フォレスト出版の編集田中さん、太田社長に、書き直しを申請。
田中さんは「大丈夫です。これでいけますよ」と何度も励ましてくれましたが、私にとってはお世辞にしか聞こえない。しかし、最後は太田社長が「いいんです。言いたいことを全部書くと、読者にとってはくどくなって読みにくい。この程度でいいんです。ベッドに横になって、さらっと読める程度でいい。難しい内容では売れない。それに言いたいことがあるなら、2冊目に書けばいい。とにかく、11月末には出しますから、これで打ち止め」と言われ、そのまま出版することに・・・。
★ついに全国発売
こうして2002年11月中旬、本の初版が出来上がり、私の元に本が届きました。とりあえずは出来た。これから発売される。しかし、この時点でも「こんな本は売れるはずがない。売れても非難ごうごうだろう。大変なことをしてしまった」と思い、竹田先生が事務所に来られたときも「こんなレベルでしか書けず、すみません」と謝りました。
竹田先生は「いや、独立起業を目指す人と、起業間もない人向けに、ココまで書いた本はない。大丈夫・・。でも、さあ、どこまで売れるかなあ」。
その後11月20日頃、太田社長がわざわざ東京から福岡まで来ることになったんですが、とてもなにか恥ずかしい。実はこの頃、私はまだウツの真っ最中で、勢いのある人には会いたくない。太田社長が来た当日も薬局へ行き、抗ウツ剤を飲み、ユンケルも飲みましたが、全然、やる気も自信も出ない。会ったときも何を話したのか覚えていません。なんか、ひたすら謝っていたような気がします。
そして11月25日、ついに「小さな会社★儲けのルール」が全国発売。しかし、本なんて売れても収入は知れています。最初の印税契約は印刷部数×6%。ビジネス書なんて99%は1万部も行かないのが実情。だから、1万部でも1400円×6%×1万=84万円です。とても食えない。実はこの頃、預金も底を尽き、本は出来たが、さて、これからどうやって生きていこうか。この1年は本を書くのに勢力と時間を使い、前の広告業のお客さんもほったらかしで仕事もない。講演のまねごとも、月に1回程度でせいぜい3万とか5万。私は出来上がった本を目の前にし、まさに途方に暮れていました・・・。