連載第六十四回目

★メルマガとHPでPR
本は出来たが、そのままでは売れない。私はこちらから打って出ねばと、いくつかの行動を起こしました。一つはメルマガの発行。これは私の友人で「伊達塾」坂之上という営業コンサルからアドバイスを受け、内容はともかく、誰でもワープロ打つだけで無料で宣伝PRできますよと。2002年11月当時の彼はFPコンサルでしたが、メルマガとHPを使って情報ツールを月に100万円以上売り上げていました。
また「がんばれ社長!」の武沢さんのメルマガで、昔の友人でメルマガ「営業マンは断ることを覚えなさい」を出していた石原明と約20年ぶりに再会。彼もメルマガの効果で大きく売上を上げているのを知り、まあ、失敗しても無料だからと「バカ社長の成功事例100連発!」を発行。さらに、これも無料と聞き、楽天日記「人生はアドベンチャーだ」も開始。
かつ、本の販売の9割以上はアナログの本屋。ネットだけではダメだと、まずは福岡地元を抑えようと、ほぼ3日に1回は主要書店を巡回。名刺とチラシを持ち、店長やレジの女性に挨拶回りをしました。いわゆる接近戦というヤツですが、地元の人間が本を出すことは少なく、かつ、作家?自らが店に挨拶廻りに来るのは珍しいらしく、どこも歓迎して大きく平積みにしてくれました。
★弱者の戦略で本を売る
余談ですが、250万部も売れた作家「世界の中心で愛を叫ぶ」の片山さんは福岡在住。実は片山さんも売れない時代、よく書店挨拶をしていたそうです。億万長者になった今も「普通の人の目線を忘れたくない。意地でも生活態度は変えない」と地元新聞のインタビューに応えていました。
そして、地元書店以外はネットで調べた約1000店へFAXとメールで挨拶。さらに、ネット検索で出てきた「起業・独立・小企業・ベンチャー」等のサイトやメルマガや掲示板へ「こんな本を出しました。ヨロシクお願いします!」とメール挨拶や書き込み。さらに読者からの感想メールにはその日にすぐに返信。悩みや課題で、私がわかりそうなことには無料でメール解答、または電話相談に乗りました。
手応えを感じたのは、この読者との直接メールやFAX・電話。ほとんどの人から「いやー、びっくりしました。著者の方から直接連絡もらえるとは思いませんでした」「感想を送って返事があったのは初めてです」「相談にまで乗ってくれてありがとうございます!」と声をもらい、ますますやる気に。とにかくうれしくて感謝感激しましたね。
当たり前ですが、有名作家は皆、一々読者とつき合う暇はない。連絡先も書いていないのが多い。ならば、田舎の無名な俺は、弱者の戦略でエンドユーザーと直接コミュニケーションをしよう。これしかない!と、気づいたら家に帰るのを忘れていました。